YOSHIDA YUKA

吉田友佳　Yoshida Yuka

 写真家 / ライター

　　

 

大学在学中に詩作を始める。「現代詩手帖」2013年6月号から2014年5月号まで新人投稿欄へ投稿、数度入選。2013年11月から2014年1月まで映画監督/写真家の紀里谷和明氏のもとでインターンを経験、現場でのスチールを担当する。その後、クリエイターズチームLucid And The Flowersにてvisual directorを担当、宣材写真からVJ、PV、ライブ演出、メイクなどのヴィジュアル面の総合指揮を執る。その他、アジア最大級の写真共有ソーシャルメディア 「Snapeee」での広告撮影、『新宿〜御苑〜四谷タウン誌 JG』への写真提供、香りのブランド「IZUMI KAN」のプロダクト撮影、ミュージシャンの宣材写真撮影など精力的な活動をしている。

 

 

ー硬質さの中から滲みだす乾いたエロティシズムー

 

 

硬質な写真や詩を含む表現形態に一貫して現れているのは、乾いたエロティシズムである。モチーフに対し適切な距離を保ちながら、それ自身が孕むエロティシズムの可能性や有限性を反映させる。これは九鬼周造の著作『「いき」の構造』にも見られるような、「媚態」と「意気地」と「諦め」といった3つの契機を手法にしたところから生じる。また写真作品に多く見られる彩度の落ちも、あらゆる事物や事象の去り際にこそ自身の本質的な美が表出する、といった思想の具体化である。そして、事物や事象に対して人々が抱く「失われた連続性へのノスタルジー」（G・バタイユ『エロティシズム』）という幻想への態度をも写し取る行為でもある。